消費税減税法を押し出そう
大企業は天国、庶民と中小企業は地獄
国民の大きな反対を押し切って、10月1日から消費税が10%に増税された。
増税額は5兆円近くになる。
実感として昼の食事をしても、床屋に行っても、2%どころではない値上がりだ。
庶民は物価高に苦しむ。
生活に食い込む消費税、中小企業の経営を破壊する消費税は減税・廃止すべきだ。
今年は消費税が導入されてから30年になる。
この30年間の法人税・所得税・消費税の税収の推移を見てみよう。
法人税の税率は消費税導入前は42%だったが消費税が導入されてから年々税率を下げ23.2%まで引き下げられた。
所得税の最高税率も60%から45%まで引き下げられた。
法人税・所得税の引下げは、大企業と富裕層の減税にほかならない。
1990年に18.4兆円あった法人税収は、2016年には10.3兆円に激減。
同じく26兆円あった所得税収は17.6兆円に大幅に減少したのだ。
一方消費税の税収は、1990年に4.5兆円だったものが、3%→5%→8%と増税されて、2018年には17.7兆円となっている。
企業は天国、庶民は地獄といわれる所以である。
大企業の3月期決算と税の優遇
2019年3月期決算が公表されている。大企業の実際の税負担率を見て驚く。
法定実効税率30.6%(平均)なのに、実際の税負担率は15.5%なのだ(表1参照)。
なぜこんなに低いのか。様々な大企業優遇税制がある。
トヨタ自動車は研究開発費減税で767億円、受取配当益金不算入で2,114憶円の減税と推定される。
NTTは受取配当益金不算入で3,622億円の減税と推定される。
社会保障の財源をどこに
参議院選挙時の市民と野党の「共通政策」では、「消費税引き上げを中止し、所得、資産、法人の各分野における総合的な税制の公平化を図ること」と述べていた。
法人税や所得税の不公平をただせば、消費税を上げなくとも社会保障の財源はあるということだ。
立憲民主党は所得税・法人税の累進性強化を打ち出した。
れいわ新選組の山本太郎氏も「消費税廃止、財源は法人税の累進課税」と言っている。
法人税累進課税で21兆円の増収というオルタナテイブ
ただす会が法人税の財源試算を行った。
大企業優遇税制をなくし、法人税に所得税並みの累進課税を導入すると、法人税の税収は33兆2,873億円となる(2017年度)。
この年の実際の法人税収は11兆9,771億円だ。大企業に応分の負担で、約21兆円の財源があるのだ。
(公平税制 2019年10月15日発行 第410号)