2017年12月5日、韓国の国会は本会議で、大企業の法人税率(最高税率)を22%から25%へ引き上げる増税法案を可決した。2018年1月以降開始する事業年度から実施されている。

 

韓国の法人税率は、従来

①課税標準2億ウオン以下は10%

②2億ウオン超200億ウオン以下は20%

③200億ウオン超は22%

という累進税率となっていた。

 

今回の改正で

④3000億ウオン超(日本円で310億円)は25%

とされた。

 

「利益を多くあげた企業に対する選別的増税」と韓国政府主張している。

税金は支払い能力に応じて負担するのが原則だ。韓国政府は法人税の累進課税を強化することにより、付加価値税(消費税)をあげるのではなく法人税を増税する、しかも大企業の法人税を増税する道を歩みだしたのだ。

 

不公平な税制をただす会の韓国税制調査団は、2018年10月、ソウルにある三成(サムスン)税務署を訪問した。

「韓国では付加価値税の税率はずっと10%ですが、これをあげようという議論はありますか」

という質問に、三成税務署長は次のように答えた。

 

「(社会保障のためと)そういう議論はあります。しかし付加価値税をあげるほうが安易だが、多くの国民に影響があります。法人税の引き上げのほうが影響は一部で済む。税金は、大企業、金持ち、租税回避をしているものからとる。そうすれば零細企業からはとらなくてもよい。法人税を上げろという国会議員もいるし、その方向になっている。」

 

消費税増税ではなく、大企業大資産家課税の方向か明快に述べられていた。

韓国政府は、こうした高所得層と大企業への課税強化で確保した税収を社会的弱者や零細企業の支援などに充てる方針だと報じられている。(世宗聯合ニュース2017.8.2)。

「ロウソク革命」といわれる国民的運動が、新しい税制改革、国民本位の税制改革の流れをつくりだしていると言えるだろう。

日本でも法人税増税を実行できれば10兆円の財源

 

日本では2019年10月から消費税増税が予定されている。日本でも大企業、大資産家の適切な税負担により、消費税増税をストップさせることができる。日本の法人税にも累進税率を導入して大企業に相応な負担を求めるべきだ。

日本の法人税に所得税並みの累進課税を導入し、なおかつ大企業優遇税制を廃止すれば、法人税収は、現行の10.4兆円から29.2兆円となる(2016年度)。

野党の中でも法人税を累進課税に、との政策検討が進んでいる。

「消費税増税は中止」「大企業に応分の負担をもとめよ」の声を広げよう。

来年の衆議院選挙で、市民と立憲野党の共通政策となるよう、働きかけることが必要だ。

 

(公平税制 2018年12月15日発行 第400号)